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制作情報

スタッフインタビュー_淺川さん(後編)

萌で働く皆さんへのインタビュー企画。
今回はCGセクションの淺川さんにインタビューを行いました。

―――淺川さんがキャリアとしてアニメ制作を意識し始めたきっかけについて教えてください。
 きっかけという意味では、弊社代表の平岡との出会いが大きいです。もともと学生時代から知り合いで、社会人になってからも何度か一緒に仕事をする機会があり、その影響でアニメ制作に携わりたいと考えるようになりました。
―――学生時代はどういったお話をされていたんでしょうか。
 専門学校入学当初に知り合い、すぐに意気投合しました。お互いアニメが好きだという話から始まり、どういうアニメが好きだとか、どういう表現が良いみたいな話をよく雑談していました。学生時代からの長い付き合いですので、仕事でもその関係性が活かされている部分はありますね。お互い言いたいことが手に取るようにわかりますし。長い時間を一緒に過ごしてきた分、コミュニケーションもスムーズに取れていると思います。
―――ありがとうございます。専門学校入学以前からアニメ好きだったということですね。
 そうですね。特に小学生・中学生の頃に流行っていた90年代のアニメ劇場作品にはかなり影響を受けていて、何度も繰り返し見るような作品が多いですね。作品のお話の面白さ、世界観、場面の雰囲気などに惹かれる部分が大きいです。あの時代ならではの表現や世界観が、少なからず私の表現の源泉になっていると思います。
―――作品を見るうえでは、どんなところに注目されていますか。
 CGアニメ作品を見るときは、CGの表現面に注目することも多いです。作品によってクリエイターごとの表現の違いがあり、それぞれに良さがあると感じています。ただ、昔から変わっていない部分として何よりもまず作品としての面白さを重視して見ています。CGの表現はあくまで作品の魅力を引き立てる要素の一つだと考えています。
―――表現に関するお話がありましたが、淺川さんがCG制作において強く意識されていることがあれば教えてください。
 CGという言葉からは、しばしば複雑な技術やツール操作といった側面が連想されがちです。確かに、知識やスキルの習得によって作業効率を高めることは、現場において不可欠な要素です。しかし、CGもまた表現手段のひとつである以上、最終的に人の心を動かすのは、作り手の感性や情熱、そして「何を表現したいのか」という意志にほかなりません。私自身、技術を磨きながらも感性を鈍らせず、映像にどれだけ“自分の想い”を込められるかを常に意識しています。CGにはまだまだ表現の可能性が残されていると感じています。技術と感性、それぞれを調和させていくことが大切だと感じています。
―――技術と感性のバランスについてはどのように考えていますか。
 ツールや技術は、表現の可能性を広げてくれる強力な武器だと思います。CGならではの表現や演出は、そうした技術の積み重ねであり、私自身も技術を磨くことの大切さを強く実感しています。一方で、どれだけ優れたツールがあっても、それをどう使い、何を伝えるかは最終的に人間の感性に委ねられます。自分の手で試し、悩み、時に遠回りしながら“汗をかく”こと。一見逆行して見えますが、そうして生まれた表現にこそ、作り手の意志や熱量が宿ると信じています。だからこそ、技術に支えられながらも、自らの感性を信じて汗をかき続ける。そのバランスを忘れずに取り組むことが、私の軸になっています。
―――ありがとうございます。そんな淺川さんの目線から、今後のアニメ表現の可能性について感じることを教えてください。
 弊社ではこれまで劇場作品やテレビアニメを中心に、多くの作品づくりに携わってきましたが、近年ではアニメ表現の幅が広がり、さまざまなメディアや形式で活用される機会が増えてきていると感じています。そうした中で、従来の枠にとらわれない、もっと生活の中に自然と入り込めるようなアニメのあり方にも大きな可能性を感じています。劇場やテレビといったフィールドで作品を届けていく一方で、これまでとは異なる表現領域にも積極的に挑戦していきたいですね。
―――具体的にはどういった分野のイメージでしょうか。
 日常生活に自然と溶け込んでいるメディアや空間には、アニメの表現力を活かせる可能性がまだ多くあると感じています。たとえばスマートフォンの中のコンテンツや、街中のサイネージ、交通機関の車内映像など、日々の暮らしの中で何気なく目にする場面にアニメを取り入れることで、アニメに接する機会が少ない人たちにも、その魅力を届けられるのではないかと考えています。現時点ではまだ漠然とした構想ではありますが、そうした新しい接点を通して、アニメ表現がより多くの人に開かれていく未来に可能性を感じています。
―――技術の発展により、アニメ表現の可能性も広がってきていると思いますが、今後はどのような変化が期待できるでしょうか。
 そうですね。ここ10年ほどで、アニメという表現は“特別なもの”から、より日常の中に自然に存在するものへと変化してきたように感じます。以前は限られた場所で楽しむものだったアニメが、今では多様なかたちで身の回りに溶け込み、誰もが気軽に触れられる存在になってきました。その流れは今後も続いていくと思いますし、作り手としても、そこにさまざまな可能性を感じています。作品のかたちや表現のアプローチも、これまで以上に自由で柔軟なものが生まれてくるはずです。そうした変化をポジティブに受け止めながら、自分自身も楽しんで関わっていきたいと思っています。
―――最後にアニメファンの皆さんへメッセージをお願いします。
 日頃からアニメに注目して頂き、また作品に対して色々な感想を持って頂けるのは作り手として非常に嬉しく感じております。本当にありがとうございます。アニメという表現の可能性を広げていけるよう、日々の仕事に向き合っていきますので、今後も応援していただけると嬉しいです。
 

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